分科会A 現役役員・管理職が語る 『女性活躍マネジメント』

講師:株式会社リコー                  理事 オフィスプリンティング開発本部 副本部長      村上 栄作氏

分科会Aは株式会社リコー 理事 オフィスプリンティング開発本部副本部長兼EP開発センター所長 村上栄作氏を講師にお迎えして、『女性活躍マネジメント』について現役役員・管理職のお立場からお話いただきました。

 

内容は2部構成で紹介されました。

第1部:リコーにおけるダイバーシティ推進

第2部:ダイバーシティマネジメント

実際に管理職として何を大切に、どのような実践をしてきたかについて、成功事例のみならず悩んだことや失敗したことまで具体的にお聞きすることができました。

 

第1部 リコーにおけるダイバーシティ推進

・グループ企業226社、従業員10万名を超える大企業グループで、人的にも売上面でも海外比率が70%というダイバーシティ抜きには事業運営が成り立たない環境

・ダイバーシティ推進により会社は価値創造を、社員はやりがいを獲得する。ワークライフ・マネジメントにより会社は生産性向上を、社員は働きやすさを実現する。それぞれの相乗効果が、会社の業績向上・企業価値向上につながり、個人の自己成長・自己実現につながる

・実績として、女性の平均勤続年数が男性を上回ることや女性管理職の大幅増加、さまざまな職域で女性の活躍が拡大する成果を得ている 

 

第2部:ダイバーシティマネジメント

・男女の違い

実験的にも医学的にも男女は違っており、違いを認識して補完する意識が必要である

・働く意味

働くことは人を作ること(学びからの自己成長)であり、個々の成長と企業を継続させるためにダイバーシティマネジメントが不可欠

・女性活躍推進

自部門の声を丁寧に聞き、一つひとつ対応した。例えば、他組織とのつながりが薄く仕事を頼みにくいという声に対して、部署を横断する組織(Cross Class Conversation)を編成し、人的ネットワークを築くとともに実際の問題解決にも役立てた

・マネジメントの目指すべき姿

メンバーは財産なので人財という言葉にこだわる。人財として、部下が自覚していない能力を見つけ出し、一人ひとりの将来を上司が描き(期待を伝え)、いつでも相談に応じ、身を乗り出して聴くことが大切。上司の出来で成果が変わる

 

 

ダイバーシティ経営企業100選を受賞し、プラチナくるみんやえるぼしの三ツ星評価(※)など先進企業のイメージがリコーにはあるが、会社全体が高い評価を得る背景には、上司の意識と行動が不可欠であることを再認識しました。

※プラチナくるみん:仕事と育児の両立支援に熱心に取り組む企業のうち、トップクラスの実績を上げている企業として厚生労働省に認定されるもの、えるぼし:女性活躍推進法に基づく取組の実施状況が優良な企業が認定されるもの(三ツ星は最高評価)

 

本レポートでは公開できませんが、実際の育成計画策定手法、部下との面談での会話、悩んだこと、所属長として百数十名をマネジメントする具体的手法など実話や本音がとても勉強になったとの声が多く聞かれました。

 

イノベーションの重要性が叫ばれる中、村上氏はイノベーションのすべての鍵を握るのは「人」だと考え、誰もが自由に議論できるフラットな関係性を重視しているとのことで、特に技術系の管理職からは「自社でぜひ展開したい事例が多く、さっそく企画化する」と非常に響いていました。

 

分科会Aアンケート(抜粋)

「非常に参考になりました!!特に人事部門でない所でどういう工夫をして女性活躍をサポートしていくのか、いつも悩んでいるのでとても勉強になりました。」

 

「具体的に村上さんのやってこられた話が聞けて良かったです。」

 

「マネジメント層の理解や取り組みが会社全体をよくするボトムアップが成功するように思いました。今まで自分の考えていること、取り組みとも大変類似しこれからも自信を持ってとりくもうと思いました。」

 

「現場での取り組みをリアルに伺うことが出来、大変参考になりました。現場での丁寧なコミュニケーション、対話が必要であると基調講演との話ともつながりがありました。」

 

 

「研究部門、技術部門としてたいへん参考になりました。」

 

「管理職の質を上げることが企業文化を変えるという考え方に共感です。」

 

講演を終えて、ほっと一息の

村上さん