分科会Cは働きがいのある会社TOP10にランクインする株式会社ディスコで経理部長の任に就く小林嘉男氏に『幸せ職場のつくり方』をテーマに、かつて鬼上司と呼ばれた小林氏がどのように自分と職場を変えたか、幸せ職場をつくるための秘訣をご紹介いただきました。
内容は3つの切り口で構成されました。
1. ダメ上司だった過去
2. 自分を変え、職場が変わった頃
3. 幸せ職場をつくる3つの秘訣
株式会社ディスコは2017年「働きがいのある会社ランキング」第4位で、その会社の中でもさらにナンバー1に輝く部署が小林氏の率いる経理部です。実際に幸せ職場をつくった経験談に参加者は興味津々でした。
1.ダメ上司だった過去
・部下に対して「ロジックがおかしい」「ここが間違っている」「何回同じことを言わせるのか」と指摘し続け、ダメ出しをする毎日だった
・もっと部下はレベルアップできるはずと信じて、部下のためを思えばこその言動だったので、自分は正しいことをしていると思い込んでいた
・部下から無記名のフィードバックで「鬼上司」「血が通っていない冷徹人間」「あなたに委縮して誰も意見が言えない」と言われ衝撃を受ける
・何が悪かったのか考え続けた結果、そもそも自分は「部下を幸せにしたかったのだ」と気づく。幸せにしたかったのに、現実は幸せではない。やり方を180度変える必要があると思い至る
2.自分を変え、職場が変わった頃
・それまでも学んでいたマネジメントに関する知識に加え、コミュニケーションに関する勉強を深め、プロのメンタルコーチになり、アドラー心理学も活かし、職場で別人のように振る舞い始める
・部下を鍛える上司から部下を幸せにする上司に変わろう、そのために見方や考え方(メガネと表現)を変えようとします
・全員の前で「ワクワク・イキイキ・笑顔いっぱいの仕事がデキるチームになる」と宣言する。厳しい表情ではなくいつも笑顔でいるようにし、「ワクワク」「イキイキ」を口癖にする。机には愛犬の写真やぬいぐるみで飾り、職場も楽しいもので満たす
・最初は半信半疑だった部下にも、やがて小林氏の本気度が伝わり、少しずつ職場が変わり始める。職場として大切にすること(ミッション・ビジョン・行動指針)を共有する。朝礼は笑顔でスタートし、互いを知り合う時間を設けるなどを行った
3.幸せ職場をつくる3つの秘訣
・横の関係
上司と部下は役割が違うだけで、対等の関係であることを忘れない
縦の関係と捉えると上司は『偉い人』でダメ出しする指導スタイルになってしまうが、横の関係で部下を勇気づけするスタイルを取ることが必要である
・課題の分離
部下の課題に上司が介入せず、部下に任せる。上司は部下をコントロールしようとせず、仕事の具体的な進め方など部下が主体となる
上司は部下をサポートすることに徹し、対話の時間を設け、部下の話を聴くことに集中する
・目的論
自分たちは何がしたいのか、将来どのような職場にしたいのかを話し合い、全員で共有する
誰が何が原因か(悪いか)ではなく、目的に向かい何をするかに注力する
過去の社内調査(社員の満足度やモチベーションなどのアンケート)では、全部署の中で最下位だったそうですが、現在はナンバー1になりました。
小さなことの積み重ねが大きな変化を生み出し、部員のスキルアップ、互いに協力し合う関係性、さらに業務の大幅なスピードアップや最高のアウトプットを実現し、仕事の成果も大きく出すことができたそうです。幸せ職場はつくることができる!そのためには自分がまず小さな一歩を踏み出すことだと参加者に感動が広がりました。
「楽しく働けるようにまずは今のメガネをつけ替えることからしていこうと思います。」
「まさに今、考え悩んでいたテーマとフィットしており大変満足しました。今後、本日の学び気づきをどう活かすか、しっかり振り返り今後のActionに変えていこうと思います。」
「ちょうどアドラーの勉強をしていたため、すっと入ってきました。要点をしぼっていたため、非常にわかりやすかったです。実践に移したときの具体的なアプローチを聞きたくなりました。」
「シンプルで分かり易く楽しく参加できました。早速社内にも共有します!!」
「楽しいお話に、笑いあり真面目に耳をかたむける場面あり、おとなりの方とのセッションありと、あっという間に時間がたちました。」
「とても楽しく、笑いのたえない分科会でした。ワークが入っているのが良いですね。自分の言葉にすると学びが深まります。」
「目的論で対話するということがよくわかりました。」
「自分自身の変えるという考え方、会社だけでなく家庭でも使えると思いました。」
講義終了後優しい笑顔で受講者と言葉を交わす
小林さん