分科会Dは他の分科会とスタイルを変えてパネラーの吉田氏のお話を聞いた後、参加者同士で対話をする形式ですすめられました。
構成は前半と後半でテーマを設けられました。
前半:吉田氏自身のキャリアの転機、グループでの対話
後半:住友金属鉱山の取り組み事例、グループでの対話
吉田氏のお話が刺激となり、参加者同士で話題を広げることでさらに深い気づきを得ることができたようです。
前半:キャリアの転機
◆吉田氏のキャリア
・かつては保育士をしていたが、夫との死別をきっかけに一般事務職として住友金属鉱山株式会社で働くことになる
・会社が女性活躍支援に取り組むことになり、リーダーに任命される。前例のない異動、前例のない仕事で大いに戸惑ったが、できることを探そうと思い、ベースとなるキャリアカウンセラーや産業カウンセラーの勉強をして、少しずつ自信をつけながら取り組む
・何歳からでも挑戦できる。転機はその場では自覚できていないことも多く、後で振り返ると気づくこともある
◆対話テーマ:今までのあなたのキャリア(人生)において「転機」となったことは何ですが?そこから学んだことは何ですか?
・基調講演の100年キャリアのキーワードや吉田氏の何歳からでも挑戦できるというメッセージを受け止め、参加者に自分自身の転機を振り返ってもらい、同じテーブルのメンバーと共有した
後半:未来を変えるための取り組み
◆住友金属鉱山株式会社の取り組み
・400年に渡り男性が中心の会社で、女性は補助的な役割で、結婚出産を機に退職することが一般的だった
・社会の変化を受け、自社でも2008年から女性を含めた人材育成、活き活きと働く社員が目標設定され、長期成長戦略とも関連づけられる中、2013年に女性活躍推進室の活動がスタートした
・取り組みの3本柱として、以下を行った
① 意識改革:経営層への研修、管理職や女性社員への研修を中心に、新入社員研修や昇格研修、組合と協働講演でも情報を発信する
② 制度見直し:働き続けたい社員が選択できる制度を整備する。制度導入に関しては先進企業の事例やアドバイスを聞くことで、効率的に整えられるというメリットがあった
③ インフラ整備:工場のトイレや更衣室を整備するとともに、専用掲示板を設置して社長メッセージや女性のライフイベント時に必要な制度を集約して周知した
・今後の取組としては、「個の育成」をキーワードに、ひとり1人が活き活きと活躍できる職場を目指していきたいとのことである
◆対話テーマ:あなたが実現したい未来の理想の働き方とは?
・キーワードとして以下が挙げられた
「残業ゼロ」「子育てしながら働いている」「好きなことが仕事になっている」
「ロボットを活用しながら働いている」「子どもたちの&世の中の役に立てている」など
・さらに未来の理想の働き方を実現するために、自分ができる最初の1歩(行動)は何かをグループメンバーに宣言し終了
吉田氏は「役割への挑戦が自分を変えるきっかけになった」とおっしゃっていました。
・担当業務や役割の変化で物の見方(視座)が変わる
・何のために仕事をするかを考えることで働く意識が変わる
・社内外にネットワークが広がり多くの刺激をもらえる
などの変化だったそうです。
また、野村氏の基調講演でも「職場を変える鍵は対話力」とありましたが、分科会Dでも対話することで多くの気づきやヒントを得たという感想が寄せられました。
転機(挑戦)や対話といったキーワードで未来を変える第一歩が踏み出ると勇気をもらえた時間でした。
「全体的にポジティブな雰囲気(参加者の皆さん、パネラーの方のスピーチ)がとても良かったです。良い刺激となりました。」
「意見交換の中でやはり『前向きに考える』ことが大切だと思い知らされました。」
「時間を楽しく使う事が出来ました!色々な人の話、人生は心にひびきます。」
「様々なキャリアをお持ちの方とお話ができ、自分の中で大切にしたいものを再認識したり新たな考え方を学ぶ事ができました。また、吉田さんのキャリアを伺い、いつになっても挑戦できることに改めて勇気をいただきました。」
「男女の意見を聞けて良かった。自分の初心に帰れる原点が発見できた。」
「短い時間の中でたくさんの意見を聞く事が出来ました。明日からの自分がもう一歩前に進むきっかけになったと感じています。分科会はとても楽しかったです。」
「お子さま連れの方、男性、人事の方と多彩な方と同じグループでダイバーシティもさまざま有意義なディスカッションとなり、気づきが多かったです。時間配分も丁度よく快適でした。吉田様のお話も勉強になりました。」
「他社の方々と交流する事ができて良いシゲキを受けました。また、今後の自分のキャリアを考えるきっかけができました。」
分科会終了後、受講者の皆さんと笑顔で語り合う吉田さん